限定承認とは、被相続人の残した財産において、プラスの財産とマイナスの財産があった場合に、プラスの財産の範囲内においてマイナスの財産も相続し、それ以上のマイナスの財産を相続しない方法です。
この方法は、マイナスの財産（借金）の金額がプラスの財産より明らかに多い場合や、わかっていない借金が残っている可能性がある場合などに有効です。相続が開始した場合に、プラスの財産とマイナスの財産と、どちらのほうが多いのかわからないということは十分ありえます。そのような場合に、限定承認をしていれば、相続したプラスの財産より多いマイナスの財産の部分は返す必要はなくなりますし、結果的にマイナスの財産よりプラスの財産のほうが多かったとしても、財産はそのまま引き継げることになります。
ただ、限定承認は手続きが大変なため、実際にはごくわずかしか利用されていません。また、税法上は、被相続人に対して譲渡所得税が発生する可能性がありますので、注意する必要があります。
限定承認
