相続財産目録

 相続財産目録は遺産の範囲及び財産状態を示すために作成します。通常は関係者への照会や調査等により財産目録を作成していきます。

相続財産目録の作成は、円満、円滑な相続手続きを実現するために有効です。相続財産目録があることにより、遺産分割協議の際、相続財産全体の内容が一目でわかるため、相続人間の話し合いがスムーズに進み、結果として遺産分割協議が円満にまとまりやすい、というメリットがあります。

相続財産目録を作成する際には、故人の財産のうち、プラスの財産とマイナスの財産をまず分けて記載し、さらに財産の種類ごと(不動産や預貯金、有価証券等)に分類して一覧表にします。そして、財産の内容と金額、金額の根拠を明示することが必要です。金額は、相続開始時点である故人の死亡日を基準として、預貯金ならその日時点での残高を記載することになります。また金額の根拠は、預貯金や有価証券については残高証明書を取得し、これを財産目録に添付するようにします。

不動産については、さまざまな評価方法が存在しますが、その一つとして固定資産税評価証明書を取得し、それに依拠していることを明示して金額を記載する方法があります。なお、取得した固定資産税評価証明書は財産目録に添付するようにします。

不動産の評価方法については、ほかにも路線価格などがあります。しかしながら路線価格は、具体的な評価証明が公的機関から発行されるものではなく、しかも土地の現況により各種の評価増減がなされることから、なかなか正確な数字を算定することは一般の方にとっては難しいものです。そこで、最も簡単に、しかも客観的に数字が出る固定資産税評価証明書による方法をひとまず採用されるとよいと思います。

客観的な根拠書類を添付したうえで、遺産全体の内容が一目でわかるように相続財産目録を作成することが大切です。このような相続財産目録をもとに、遺産分割協議を行うことで、円滑に協議が進み、遺産分割協議が円満にまとまることにつながります。