会社の役員に相続があった場合どうすればよいですか。

会社の役員とは、会社法上、取締役、代表取締役、監査役等になります。ただ、肩書きだけ常務取締役といっても実際に取締役の登記をしていない場合は、役員とは言えません。会社の役員は株主から会社の経営をまかされている人達なので、会社登記簿に公示されています。したがって、法務局で登記簿謄本を取得し、登記簿を閲覧することによって会社の役員を把握することができます。このような役員が亡くなった場合、その人個人の財産について相続が発生するので、その個人の相続人同士で遺産分割協議をして財産の帰属について決めていきます。

それでは、会社の役員の地位は相続の対象となるのでしょうか。つまり、会社役員の地位を相続人が承継して新たな役員に相続人がなれるのかどうかですが、会社の役員の地位は一身専属権であり相続の対象となりません。会社としてはその人自身の能力を見込んで会社の役員にしていたのに、その役員が死亡して、相続人が役員になってしまっては、不都合だからです。つまり、会社にとっては役員が一人減るということです。しかし、取締役会設置会社では取締役が3名以上、監査役が1名以上いなければ成立しません。この場合ですが、役員が死亡した場合は、一時的に会社法で定める定数未満の状態となります。そして、速やかに後任者を選任しなければなりません。

以上のとおり、役員が死亡した場合は、その役員の死亡による退任登記、さらには後任者の役員選任の登記を行わなければなりません。会社法では、死亡した日から2週間以内に行わなければならないと規定されています。ですので、できるだけ早めに役員変更登記を申請する必要があります。

役員の方が亡くなった場合は、個人の相続手続きと一緒に会社の役員変更登記も当事務所で対応することができます。ぜひ、お気軽にご相談ください。