相続の対策②(夫婦間贈与)

こんにちは、千葉市の司法書士渡辺憲久です。今回のコラムでも、前回に引き続いて相続税対策として夫婦間贈与について書いていきます。贈与税の税率は高くなっていますが、様々な特例があり、夫婦間贈与の配偶者控除もそのうちの一つとなります。この特例が適用されますと、基礎控除額のほかに2,000万円までの金額を限度として贈与税が課せられないことになります。

適用をうけるための条件

1.夫婦の婚姻期間が20年以上であること

2.配偶者から贈与された財産が、自分が住むための居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること

3.贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

以上の条件を満たすことで、配偶者控除の特例の適用を受けることができます。ただ、特例の適用を受けるためには、贈与税の申告書を提出しなければなりません。

申告書の提出

配偶者控除の特例の適用を受けるためには下記の事項を記載した申告書をその贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに、納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。なお、申告書の提出は配偶者控除の適用を受けることにより、贈与税が課税されなくなったとしてもする必要があります。

1.配偶者控除の適用を受ける旨

2.控除額の明細を記載

3.前年以前に贈与税の配偶者控除の適用を受けていない旨の記載

4.贈与税の申告書に添付する書類

①財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の謄本又は抄本及び戸籍の附票の写し(婚姻期間を証明するため)

②居住用不動産の登記事項証明書(居住用不動産の取得を証明するため)

③居住用不動産を居住の用に供した日以後に作成された住民票の写し(居住の用に供していることを証明するため)

④居住用財産の取得に関する証明書

上記のような方法で配偶者控除の特例の適用を受ければ相続税対策として活用することが可能です。ただ、税金は複雑ですから、節税対策に利用する際は税理士に相談することをおすすめ致します。当事務所にご相談いただければ、税理士と連携して業務にあたらせていただきますので、よろしくお願いいたします。